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(プロ野球を「研究する」編No.2)セイバーメトリクス入門②~野球で得点力を上げたいならこれを重視せよ!! "奇跡の打撃指標"「OPS」の有用性を確かめる!!~

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 こんにちは!! と申します。当ブログにお越しいただき、誠にありがとうございます。

 今回は、

プロ野球を『研究する』編」

の第2弾として、

セイバーメトリクス入門②~野球で得点力を上げたいならこれを重視せよ!! "奇跡の打撃指標"「OPS」の有用性を確かめる!!~」

をお送り致します!!

 前回は、打者評価において重要な指標は打率ではなく、「出塁率」と「長打率」という、野球の常識を覆す事実が、”奇跡の野球の分析手法”「セイバーメトリクス」によって導き出され、その重要な「出塁率」と「長打率」を足し合わせた「OPS」は、セイバーメトリクスの本場・アメリカで重宝されているというお話をしました。今回は、実際のデータを用いて、OPSの有用性を検証していきます。

 

 

<”奇跡の野球の分析手法”「セイバーメトリクス」とは!?>

 

 セイバーメトリクスとは、野球の戦略・戦術や競技者(選手)を、統計学すなわち「科学」を用いて分析・評価するという、今までにない斬新な手法の事です。野球の本場・アメリカMLBでは、この手法を導入したオークランド・アスレチックスが、資金難による低迷から脱して常勝球団になった事等もあって、セイバーメトリクスの有用性が認められており、この手法を用いた球団運営が主流となっています。

  野球の常識を覆し、弱小球団を常勝球団に変貌させる等の数々の奇跡を起こした、いわば”奇跡の野球の分析手法”であり、これを知れば、あなたも「超」野球通です!!

 

 

<はじめに>

  

 前回は、”奇跡の野球の分析手法”「セイバーメトリクス」による打者評価のお話をしました。

 具体的には、打者を評価する指標として最も有名で馴染み深い「打率」は、打者を評価する上であまり重要ではなく、打者の「塁に出る能力」を示す出塁率と、打者の「走者を先の塁に進める能力」を示す長打率が重要で、その2つを足し合わせた指標OPSは、打者の攻撃面での貢献度を如実に表す事ができるというお話でした。

 そして、「OPSが高いチーム程、チームの得点数が多い」という傾向が強い事も判明し、有用性が認められ、セイバーメトリクスの本場・アメリカでは大いに重宝されているという事もお話しました。

 しかし、そんな訳ない!! 打率が重要じゃないなんておかしい!! と思っている方も多いと思います。そこで、今回は、「百聞は一見に如かず」という事で、実際のデータを用いて、OPSの有用性を検証していきたいと思います!!

 

 

<それぞれの指標と得点の関係性を「視覚的」に見る①~散布図とは!?~>

 

 では、実際のプロ野球の過去のデータを使って、OPSの有用性を検証してみましょう。

 

 今回は、「視覚的」に分かりやすい様に、「散布図」というグラフを作成しました!!この散布図とは、「チーム打率」「チーム得点」等、2つのデータの関係性を示すもので、「一方のデータが変化すると、もう一方のデータはどの様に変化するか」という事を調べる事ができます。

 

 例えば、「チームの得失点差(得点ー失点)」と「チームの勝率」は、大いに関係がありそうですね。野球は相手より多くの得点を奪えば勝てるスポーツだからです。この「得失点差」と「勝率」の2017年のプロ野球での散布図は以下の通りです。 

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 ご覧の通り、点が直線的に並んでいます。これは、「得失点差のプラスが大きい(数値が高い)チーム程、勝率が高く得失点差のマイナスが大きい(数値が低い)チーム程、勝率が低い」という傾向が強いためです。

 例えば、12球団で最も得失点差のプラスが大きかった広島(+196)は、勝率.633でセ・リーグを制覇しています。逆に、得失点差のマイナスが最も大きかったヤクルト(ー180)は、勝率.319で、12球団で唯一勝率.350を下回っています。

 

 つまり、2つのデータの関係性が強く、「一方のデータの値が大きくなると、もう一方のデータの値も大きくなる」という傾向が強いと、先程のグラフの様に、右肩上がりの直線状(※1)に点が並びます。

※1:「チームの得失点差」と「チームの敗戦数」といった様に、「一方のデータの値が大きくなると、もう一方のデータの値は小さくなる」傾向が強い場合は、右肩下がりの直線状に点が並びます。

 

 では、逆に「監督の身長」と「チームの得失点差」等の様に、全く関係が無さそうなもの同士の散布図はどの様になるでしょうか。実際のデータを見ると、

身長最低(セ)/真中監督(170cm・ヤクルト)/勝率.319

身長最低(パ)/工藤監督(175cm・ソフトバンク)/勝率.657

身長最高(セ)/森監督(182cm・中日)/勝率.428

身長最高(パ)/辻監督(182cm・西武)/勝率.564

となっており、2017年のプロ野球においては、「監督の身長」と「チームの勝率」は、関係がないと考えられます。

 

 実際に、2017年のプロ野球の「監督の身長」と「チームの得失点差」という、全く関係が無いもの同士の散布図を見てみましょう。

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 ご覧の通り、まとまりがなく、バラバラです。これは、「身長・勝率」のチームもあれば、「身長・勝率」のチームもあり、はたまた「身長・勝率」のチームもあれば、「身長・勝率」のチームもあるためです。

 

 この様に、2つのデータの関係性が弱い場合は、点にまとまりが生まれず、バラバラに並びます。

 

 

<それぞれの指標と得点の関係性を「視覚的」に見る②~各指標と得点の散布図を見る!!~>

 

 では、先程説明した散布図を使って、各打撃指標と得点の関係性の強弱を「視覚的」に見ていきましょう!!

 

①打率

 まずは、比較のために、当サイトで「重要ではない」と連呼されている(笑)打率についてです。

 以下のグラフは、プロ野球の過去10年間のデータ(2008~2017年)を基に作成した、「チーム打率」と「1試合当たりのチーム得点」の散布図です。

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 確かに、ある程度直線的で、チーム打率が高ければ高い程、チーム得点が多いという傾向が、ある程度ある事が見て取れます。

 ただし、赤丸青丸の様な「外れ値」も目立ちます。

 赤丸は2014年のソフトバンクで、今回対象とした120チーム(12球団×過去10年)中堂々の2位となるチーム打率.280を記録しながら、1試合当たりのチーム得点4.22点は、なんと120チーム中33位となっています。

 青丸は2017年の広島で、2014年のソフトバンクと比較すると、打率は7厘低い.273ながら、得点は1点近く多い5.15点を記録しています(120チーム中トップ)。

 これは、必ずしも打率を上げれば得点が増える訳ではないという事を、如実に物語っています!!

 

出塁率

 次に、OPSを構成する指標の1つ、出塁率についてです。

 以下のグラフは、先程と同じ期間(過去10年=2008~2017年)のプロ野球のデータを基に作成した、「チーム出塁率」と「1試合当たりのチーム得点」の散布図です。 

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 まだ「外れ値」も目立ちます。しかし、僅かではありますが、先程の打率の散布図よりも、点が直線的に並んでいるのが分かりますでしょうか。

 点が直線的になるという事は、2つのデータの関係性が強くなっている、すなわち「一方のデータが高くなれば、もう一方のデータも高くなる」傾向が強くなっているという事です。

 つまり、打率よりも出塁率を上げた方が、チームの得点が増えやすい=打率よりも出塁率の高低の方が、チーム得点の多寡と密接に関わっているという事が言えるのです!!

 

長打率

 出塁率の次は、OPSを構成するもう1つの指標・長打率です。 

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 こちらは直線的になっているのがはっきり分かりますね!!

 このグラフからも、打率よりも長打率を上げた方が、チームの得点が増えやすい=打率よりも長打率の高低の方が、チーム得点の多寡と密接に関わっているという事が言えます!!

 

OPS

 さて、いよいよ本題のOPSです!!

 OPSはどれ程直線的なのかと言うと、この通りです!!

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 打率と比較すると一目瞭然ですね!! 外れ値もほとんど目立ちません!! これでOPSの高低が、いかにチームの得点の多寡に結びついているのかがはっきり分かりますね!!

 因みに、赤点は、打率の項目で説明した2014年のソフトバンクです。打率は120チーム中2位でしたが、OPSは際立って高くないため、得点もそれ程多くないという事がよく分かると思います。

 青丸は、同じく打率の項で説明した2017年の広島です。OPSが非常に高いため、得点が120チーム中トップになっているという事が分かると思います。

 この2チームの打撃成績(※2)を細かく見ると、以下の様になります。

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 打率は2014年のソフトバンクの方が高いですが、本塁打四球を見ると、2017年の広島の方が多く、この点が出塁率長打率に影響を及ぼしOPSを高くしています。そして、OPSが高い2017年の広島が多く得点を奪っています!!

※2:余談ですが、2014年のソフトバンクも、この年に限ればOPS・得点共にリーグトップで、混戦を抜け出してリーグ制覇を果たし、日本一にも輝いています。

 

 これで、「OPSが高いチーム程、チームの得点数が多い」という傾向が強い事が、視覚的に分かっていただけたと思います!!

 

本塁打

 おまけとして、打率と共に有名な打者指標となっている、本塁打の散布図を見てみます。

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 なんと、打率のグラフよりもバラバラです!

 これは、本塁打の数は、塁に出る能力と走者を先の塁に進める能力の、ほんの一部しか示せていないためです(四球や本塁打以外の安打で塁に出たり、走者を先の塁に進めて得点する事ができるので)。

 

 次回は、OPSの有用性の検証の補足としまして、OPSの有用性をより統計学的に「数字」で見ていきたいと思います!!

(プロ野球を「研究する」編No.3)セイバーメトリクス入門③~OPSの有用性の検証・補足~ - プロ野球FUN(次回の記事) 

 

 

 

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