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(プロ野球を「研究する」編No.6)有名選手の「真の価値」をセイバーメトリクスで暴く!! ①

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 こんにちは!! と申します。当ブログにお越しいただき、誠にありがとうございます。

 今回は、

プロ野球を『研究する』編」

の第6弾として、

「有名選手の『真の価値』をセイバーメトリクスで暴く!! ①

をお送り致します!!

 

 以前の記事で、打者評価において重要な指標である「出塁率」「長打率」「OPS」の3指標の、2017年のプロ野球における「ベスト5・ワースト5」を発表しました。

 今回は、このベスト5・ワースト5に登場した選手を細かく分析いたします。 

 

 

<”奇跡の野球の分析手法”「セイバーメトリクス」とは!?>

 

 セイバーメトリクスとは、野球の戦略・戦術や競技者(選手)を、統計学すなわち「科学」を用いて分析・評価するという、今までにない斬新な手法の事です。野球の本場・アメリカMLBでは、この手法を導入したオークランド・アスレチックスが、資金難による低迷から脱して常勝球団になった事等もあって、セイバーメトリクスの有用性が認められており、この手法を用いた球団運営が主流となっています。

  野球の常識を覆し、弱小球団を常勝球団に変貌させる等の数々の奇跡を起こした、いわば”奇跡の野球の分析手法”であり、これを知れば、あなたも「超」野球通です!!

 

 

<はじめに>

 

 以前の記事の記事で、打者評価において重要な指標である「出塁率」「長打率」「OPS」の「基準値」の参考になる様に、2017年のプロ野球の3指標の「ベスト5・ワースト5」を発表しました(以下の画像)。

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  これについて、「あれ!? この選手が何で・・・」といった疑問が生まれたり、新たな発見があったりしたと思います。そこで、今回は、3指標でベスト5・ワースト5に入った選手の成績を、細かく分析したいと思います!!

 

 

<3指標全てでワースト5入りしてしまった2017WBC代表・中田翔

 

 開幕から深刻な打撃不振に陥った、日本ハム中田翔内野手出塁率長打率OPSの全てでワースト5入りし、多くの野球好きにとって馴染み深い、打率・本塁打・打点の3指標でも、.216(リーグ最下位、472打数102安打)・16本・67打点という成績に終わっています。

 

 しかし、打率が低い=安打が少ない事で、出塁率が低くなるのは理解できると思いますが、16本塁打を放っておきながら、「長打」と名の付く長打率が低い点に疑問を持つ方も多いと思います。

 

 このカラクリについてですが、「長打率の公式」と、「長打率は何を測る指標か」という事を思い出してみて下さい。まず、公式は以下の通りです。

 

長打率=塁打※÷打数
※単打×1+二塁打×2+三塁打×3+本塁打×4

 

 この様に、長打率単打を放っても、基本的に値が上がる様になっています。つまり、安打自体が多いと長打率は高くなりやすく本塁打はある程度打てているが、打率が極端に低い=極端に安打が少ない中田選手の長打率が低くなるのも当然な訳です。

 

 逆にマギー選手は、中田選手とあまり変わらない18本塁打ながら、打率が高い=安打が多いため、長打率でベスト5入りしています(523打数165安打で、リーグ2位となる打率.315を記録)。


 それじゃあ長打率は打者の長打力を測れないじゃん!! と思う方も多いと思います。しかし、長打率は打者の長打力を測る指標ではなく、走者を進める能力を測る指標です。つまり、単打でも走者は確実に進むため、単打で値が上昇しても構わない訳です!!

 

 なお、走者がより進む長打を放った方が、値が大きく上がるので、長打率は、走者を進める能力を測る指標として適切となっています(ここまでの話は以下の記事でおさらいできます)。

(プロ野球を「研究する」編No.1)セイバーメトリクス入門①~「打率」で打者を評価するなんて時代遅れ!? 打者評価で重要な指標はこれだ!!~ - プロ野球FUN

 

 以上より、中田選手は、塁に出るという点でも、走者を進めるという点でもチームに貢献ができなかったという事が言えるので、出塁率長打率OPSの3つ全てが低くなっているという訳です。


 因みに、中田選手は2013~2015年にかけて、3年連続でOPS8割をクリアしていますが、2016年は出塁率.308・長打率.431・OPS.738(ここで表記されている出塁率長打率は四捨五入されているため、2つの合計とOPSが一致しない)と、優勝チームの主砲にそぐわない平凡な成績(OPSパ・リーグ規定打席到達者28人中19位)に終わっており、2017年現在28才でありながら、打撃成績が下降線を辿りつつあります。2017年オフのFA移籍も噂される侍JAPANの一員の復活があるかどうか注目です。

 

 

出塁率でまさかのワースト5入りした「安打製造機菊池涼介

 

 2016年に最多安打のタイトルを獲得した、いわば「安打製造機」の広島菊池涼介内野手が、出塁率でワースト5入りした事にも、驚いた方が多いと思います。ヒットを沢山打てば、沢山塁に出られた事になるので、出塁率は高くなると思いますよね。

 

 熱烈な広島ファンの方は、「今年は菊池は調子が悪く、打率が低かったからなぁ・・・」と思われているかも知れません。確かに、菊池選手は打率を2016年の.315から、.271まで下げています。

 しかし!! 真の問題はそこではありません。.271は、2017年のセ・リーグの平均打率(.251)を考えると、決して劣った数値ではありません

 

 では、なぜ出塁率が低いのかと言うと、極端に四球が少ないからです!!

 

 打者は安打だけでなく、四球で塁に出る事もできる訳ですから、打率が高い=安打が多くても、四球が少なければ、思う様に出塁率は上がらないのです(死球でも塁に出る事ができますが、死球はめったに起こらず、2017年現在のシーズン記録を見ると、安打216・四球158に対して、死球はわずか28となっています)。

 

 これまたセイバーメトリクスの指標で、IsoD出塁率ー打率)というものがあります。これは出塁率から打率を引いたもので、どれだけ四死球で塁に出られたかを測る事ができます。先述の通り、死球はめったに起こらないため、実質的にどれだけ四球を選べたかを測る指標となっています。

 

 この指標で菊池選手を見てみましょう。2017年のセ・リーグIsoDの平均は.067出塁率.318・打率.251)となっていますが、菊池選手のIsoDは.040出塁率.311・打率.271)しかありません!!

 このデータをよく見ると、菊池選手は、打率はリーグ平均以上なのに、出塁率はリーグ平均を下回っています!! それだけ四球が少なかったという事です(因みに、菊池選手は2017シーズン終了時点の通算IsoDも.038となっています)。

 

 この低い出塁率も影響し、OPSセ・リーグワースト6位(規定打席到達者28人中)の.716にとどまっています(なお、自慢の守備は健在であり、UZRというセイバーメトリクス系の守備指標で、優秀な数値を叩き出しています)。

 

 案外軽視されがちな四球ですが、四球を選べば塁に出る事ができ、チームの得点力を上げる事ができる訳です。これからは、四球の数に注目してプロ野球を見るのも面白いかも知れませんね!!

 

 次回は、この続きを書いていきたいと思います。

(プロ野球を「研究する」編No.7)有名選手の「真の価値」をセイバーメトリクスで暴く!! ② - プロ野球FUN(次回の記事です) 

 

 

 

当ブログの記事を最後までお読みいただき、誠にありがとうございました!!