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(プロ野球を「研究する」編No.15)セイバーメトリクス入門⑪~「スモールベースボール」は、やらない方が良い!? バントと盗塁の有用性を確かめる!!「バント編」~

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 こんにちは!! と申します。当ブログにお越しいただき、誠にありがとうございます。

 今回は、

プロ野球を『研究する』編」

の第15弾として、

セイバーメトリクス入門⑪~『スモールベースボール』は、やらない方が良い!? バントと盗塁の有用性を確かめる!!『バント編』~

をお送り致します!!

 

  

「研究する」編で使用される、”奇跡の野球の分析手法”「セイバーメトリクス」とは!?>

 

 セイバーメトリクスとは、野球の戦略・戦術や競技者(選手)を、統計学すなわち「科学」を用いて分析・評価するという、今までにない斬新な手法の事です。野球の本場・アメリカMLBでは、この手法を導入したオークランド・アスレチックスが、資金難による低迷から脱して常勝球団になった事等もあって、セイバーメトリクスの有用性が認められており、この手法を用いた球団運営が主流となっています。

  野球の常識を覆し、弱小球団を常勝球団に変貌させる等の数々の奇跡を起こした、いわば”奇跡の野球の分析手法”であり、これを知れば、あなたも「超」野球通です!!

 

 

<はじめに>

 

 皆さんは、「スモールベースボール」はお好きでしょうか?

 日本の野球関係者及びファンは、いつの時代からか、バント盗塁を中心に得点を奪いに行く「スモールベースボール」を好む傾向が強く、特にバントは「自己犠牲の象徴」として神聖視されています。

 

 しかし!! そのバントや盗塁は、有用性が高い戦術とは言えないのです!!

 実は、当サイトでも、よく打者の成績を紹介する際、盗塁数をカットしています。これにはちゃんと訳があるのです(気付いていただいた方がいたら、よく読んでいただいているという事で、とても嬉しいです!!)。

 今回はまず、「送りバント」の有用性を検証します!!

 

 

<バントの有用性を、過去のデータを用いて検証①~得点期待値~>

 

 今回も、実際のプロ野球の過去のデータを用いて、バントの有用性を確かめたいと思います。

 

 得点期待値という、セイバーメトリクス用語があるのですが、これは、「その状況から攻撃を行った場合、イニング終了まで平均して何点が入るか」というものです。

 

 以下は、こちらの書籍(勝てる野球の統計学 セイバーメトリクス)の、5Pのデータを基に作成した表で、

・「バントがよく行われる状況の得点期待値=バントを行う前の状況の得点期待値」

と、

・「バントを行った後の状況の得点期待値」

比較する表です。

 

 なお、表のデータですが、2004~2013年のプロ野球の、実際のデータが基となっています。

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 データの見方がよく分からない方のために申し上げると、例えば、「0アウト1塁」からバントをすると、「1アウト2塁」になりますよね。

 「バントをする前の状況=0アウト1塁」から攻撃した場合は、イニング終了まで平均して0.821点入ります

 そして、「バントをした後の状況=1アウト2塁」から攻撃した場合は、イニング終了まで平均して0.687点入るという事です。

 

 いかがでしょうか!? どの状況からバントを行っても、得点期待値が下がるという事が分かりますよね!!

 つまり、送りバント」は、チームの得点を減らす戦術であるという事が言えるのです!!

 

 

<バントの有用性を、過去のデータを用いて検証②~得点確率~>

 

 では、得点が入る確率の変化はどうなんだ!? と思った方も多いと思います。

 結論から言いますと、バントは、一部の状況では、「得点の確率を上げる戦術」には成り得ます

 

 得点確率という、こちらもセイバーメトリクスの用語があるのですが、こちらはイメージがつきやすいと思います。

 その言葉通り、「その状況から攻撃を行った場合、イニング終了までに得点が入る確率(1点以上)は何%か」というものです。

 

 以下も、こちらの書籍(勝てる野球の統計学 セイバーメトリクス)の、9Pのデータを基に作成した表で、

・「バントがよく行われる状況の得点確率=バントを行う前の状況の得点確率」

と、

・「バントを行った後の状況の得点確率」

比較する表です。

 

 なお、表のデータですが、こちらも2004~2013年のプロ野球の、実際のデータが基となっています。

f:id:baseballsabermetrics:20171031050213j:plain

 

 見方は、先程と同じです。

 

 この表をよく見ると、「0アウト1・2塁」からと、「0アウト2塁」からバントを行った場合のみ、得点確率が上がるという事が分かります。

 

 整理すると、「0アウト」で、なおかつ「走者が2塁にいる時」バントを行うと、得点が入る確率(1点以上)が上がるという事になります。

 

 これは、以上の状況からバントを行った場合、「1アウト」で「走者が3塁にいる」という、ヒットを打たなくても、外野フライや、内野ゴロ等でも得点が入る状況ができるためです。

 

 確かに、0アウト2塁からバントをせず打ちに行き、1本もヒットが出なかった場合、得点が入らない可能性が高くなりそうですが、バントをして1アウト3塁にすれば、ヒットが出なくても、外野フライや内野ゴロが出れば、得点が入りそうですよね。

 

 以上より、試合終盤等の1点を争う場面等では、一部の状況に限り、バントは有効な戦術と成り得るという事が言えます。

 

 しかし、試合終盤等の1点を争う場面というのは、チームの勝利を左右する場面になる事もありますが、1試合の中では、非常に限られた場面です。

 その上、「0アウト」で「走者が2塁にいる」場面という、さらに限られた場面でしか、バントは有効にならないのです。

 

 つまり、送りバント」をベースにしたチームづくりは、不合理な戦略と言わざるをえません。

 

 もし、1点を争う場面で、「0アウト」で「走者が2塁」におり、打者にバントをさせたいが、打者はバントが苦手だという状況を迎えた時は、「ピンチバンター(バントの上手い、バントをさせるための代打)」を出せば良いと考えられます。

 

 なお、バントと同じく、「1つアウトを献上する代わりに、走者を1つ先の塁に進める」プレーである、進塁打に関しても、バントと全く同じことが言えます(進塁打も、限られた場面でしか、有効なプレーとはならない)

 

 

<「バントの有用性の低さ」と、「出塁率長打率の重要性」は、密接に関わっている!!>

 

 以前のOPS(出塁率+長打率)に関する記事で、打率より出塁率長打率が重要であるというお話をしましたが、これは、今回の話と深く関わっています。

 

 バントが有用な戦術とは言えないという事は、走者を1つ先に進める事ができても、アウトを取られてはいけないという事が言えます。

 つまり、アウトにならない事は、野球の攻撃において非常に重要なのです!!

 

 よく考えてみて下さい。野球は、3アウトを取られるまで、攻撃し続ける事ができるスポーツです。

 つまり、アウトを取られなければ、ずっと攻撃ができ、得点のチャンスを得続ける事ができるのです!!

 だからこそ、アウトにならない事は重要なのです。

 

 出塁率は、まさに「アウトにならない確率」であり(打者は、出塁できなければ、必ずアウトになるため)、だからこそ重要なのです!!

 

 そして、アウトにならずに走者を進められた方が良いため、「アウトが取られない」安打(単打・二塁打三塁打本塁打全て含む)によって、「どれだけ走者を進められたか」を示す長打率も重要なのです!!

 

 なお、打席数が増えれば、アウトの可能性が高まるため、より少ない打席数で、より走者を進められた方が良いという点で、本塁打を含む長打は重要です。

 そういった点でも、長打を打った方が、数値が上がる長打率は、非常に重要であると言えます。

 

 

 

 いかがだったでしょうか!? 次回は、「盗塁」についてお話ししたいと思います。

(プロ野球を「研究する」編No.16)セイバーメトリクス入門⑫~「スモールベースボール」は、やらない方が良い!? バントと盗塁の有用性を確かめる!!「盗塁編」~ - プロ野球FUN(次回の記事です。)

 

 

 

当ブログの記事を最後までお読みいただき、誠にありがとうございました!!