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(プロ野球を「研究する」編No.46)日本記録保持者がまさかの「ワーストナイン」!? 原因は球団の「不合理な方針」!?

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 こんにちは!! と申します。当ブログにお越しいただき、誠にありがとうございます。

 今回は、

プロ野球を『研究する』編」

の第46弾として、

日本記録保持者がまさかの『ワーストナイン』!? 原因は球団の『不合理な方針』!?

をお送り致します!!

 

 

「研究する」編で使用される、”奇跡の野球の分析手法”「セイバーメトリクス」とは!?>

 

 セイバーメトリクスとは、野球の戦略・戦術や競技者(選手)を、統計学すなわち「科学」を用いて分析・評価するという、今までにない斬新な手法の事です。野球の本場・アメリMLBでは、この手法を導入したオークランド・アスレチックスが、資金難による低迷から脱して常勝球団になった事等もあって、セイバーメトリクスの有用性が認められており、この手法を用いた球団運営が主流となっています。

  野球の常識を覆し、弱小球団を常勝球団に変貌させる等の数々の奇跡を起こした、いわば”奇跡の野球の分析手法”であり、これを知れば、あなたも「超」野球通です!!

セイバーメトリクス入門シリーズ カテゴリーの記事一覧 - プロ野球FUN

 

 

<はじめに>

 

 2018年、ある日本記録を持っている、あのスター選手のWAR(平均的な控え選手と比較して、チームに何勝分の貢献をしたかを示す指標)が、規定打席に到達しながら1.0を切ってしまいました(DELTA社様算出のWAR)。

 DELTA社様算出のWARの場合、平均的な選手が1年間試合に出ると、2.0前後になるため、規定打席に到達しながら1.0を切っているという事は、控え選手レベルのパフォーマンスしかできていなかったという事になります。

 

 もちろん、選手は悪くなく、その様な選手をレギュラー起用してしまった首脳陣に責任があるのですが、実際に、規定打席に到達してWARが1.0を切った選手は、両リーグ規定打席到達者60人中11人しかおらず(内0.0未満=マイナスは1人)、言わば、ベストナインの逆、「ワーストナイン」とも言えるでしょう(以下は関連記事です。よろしければご覧お願いします)。

(プロ野球を「研究する」編No.28)データで選ぶ2017プロ野球「ワーストナイン」を発表!! WAR-1.8のDeNA倉本寿彦、-2.0のオリックス小谷野栄一・・・ - プロ野球FUN

(番外編No.11)「レギュラークラスが誰もいない」という問題にどう立ち向かうべきか - プロ野球FUN

 

 

<「ワーストナイン」の日本記録保持者とは!?>

 

 その「規定打席に到達してWAR1.0を切ってしまった、日本記録保持者」とは、ヤクルトのW・バレンティン選手です。

 バレンティン選手は、2013年に60本塁打という大記録(日本記録であり、アジア記録。世界記録はMLBバリー・ボンズの73本塁打)を打ち立てる等、リーグ屈指の強打者として知られています。

 

 

<WAR低迷の原因>

 

 バレンティン選手の2018年のWARは0.7で、両リーグ規定打席到達者60人中ワースト8位でした。

 バレンティン選手は、2018年も高い四球率を生かして出塁率.370を記録し、38本塁打を放って長打率.533を記録する等、出塁力と長打力(走者を進め、還す能力)を兼ね備えた打撃を披露し、リーグ9位となるOPS※¹(出塁率長打率).904を記録しました。

※1:打者にとって重要な「出塁能力」と「走者を進め、還す能力」を足し合わせた指標。打者の貢献度をより適切に評価できる。

 

 打撃面でこれだけの貢献度を示しながら、WARが低迷した原因は、やはり「守備」です。

 レフトという比較的難易度の低いポジションを務めながら、UZR※²-21.5という悲惨な数値を残してしまいました。

※2:そのポジションの平均的な野手と比較して、チームの失点を何点減らしたかを示す指標。守備範囲の広さ等も加味されており、打球を映像分析する事で、データ化に成功している。

 

 その結果、打撃のアドバンテージを守備が打ち消してしまい、WARが低迷してしまいました。

 

 以下はバレンティン選手のWARの内訳です(こちらのページより)。

・打撃:3.8

・守備:-3.1

・走塁:0.0

・合計:0.7

 ご覧の通り、守備で大きなマイナスを作っている事が伺えます。

 打撃だけなら3.8あり、守備のWARが0.0であったなら、WARはレギュラーとしても優秀でした(両リーグ規定打席到達者60人中22位になる)。

 

 走塁がプラスマイナス0なのは意外かも知れませんが、盗塁は1つながら、盗塁刺も1つしか無かった事や、無茶な走塁が少なかった事が大きいと考えられます。

 盗塁は「ハイリスク・ローリターン」な戦術であり、有用な戦術とは言えません(詳しくはこちらの記事をご覧ください)。走塁死を恐れない無茶な走塁も同様です。

 度重なる盗塁刺が広島の2018年の日本シリーズ敗退の原因になった様に、盗塁刺や走塁死はチームに大きな損失を与える(走者が消える上にアウトが増えるから)ため、盗塁刺が多い等の理由で、俊足の選手でも走塁のWARがマイナスになる事があります(こちらのページの「Base Running」の値=走塁のWARの基になる値がマイナスになっている選手)。

 

 

<守備力低迷の原因は何か>

 

 バレンティン選手の守備力低迷の原因は、もちろん本人の能力の問題もあると思いますが、気になるのは「球団(ヤクルト)の方針」です。

 

 2016年オフの契約更改で、バレンティン選手の「守備率」出来高を付けたと言うのです(以下の2記事より)。

バレンティンがヤクルトと交わした契約にある「守備率と併殺打の出来高」に抱いた疑問(宇根夏樹) - 個人 - Yahoo!ニュース

ヤクルトのバレンティン、残留決定! 1年契約で年俸約3億3000万円 - 野球 - SANSPO.COM(サンスポ)

 

 選手の守備貢献度は、「守備率」=「エラーの確率の低さ」ではとても評価できません。

 以下の記事等でお話ししていますが、「守備率」は、守備範囲の広さ等の重要な要素が加味されないという、重大な欠点があります。

 そして、守備の「目的・目標」は、エラーをしない事ではなく、当然「アウトを奪い、チームの失点を減らす事」です。

(プロ野球を「研究する」編No.14)セイバーメトリクス入門⑩~野球通なら押さえておくべき!! セイバーメトリクスの主な指標を一気に紹介!!「投手・守備・総合指標編」~ - プロ野球FUN

(プロ野球を「研究する」編No.33)データの算出が簡単で、馴染みやすいRF(レンジ・ファクター) - プロ野球FUN

 

 この球団の「不合理な方針」が、どこまでバレンティン選手の守備に影響を与えたかは分かりません。

 

 しかし、エラーさえしなければ良い」若しくは「ミスだけはしない様に」と守備が消極的になり、打球を積極的に追わなくなってしまう可能性は、十分にあります。

 エラーの確率を下げるのには、それが一番だからです。

 

 正面の簡単な打球だけ捌き、打球を待って捕り、送球エラーが出ない様に、送球も山なりでゆっくり投げれば、確実にエラーは減ります。

 当然、そんな事をすれば、肝心のチームの失点は増えます。

 

 少なくとも、球団がバレンティン選手の守備力向上のために、適切な行動が取れなかったのは事実です。

 

 

<おわりに>

 

 チームを勝利に導くには、やはり選手を正しく評価しなければなりません。

 今回の例で言えば、「守備率が良い選手は優秀」としてしまえば、先述した通り、積極的に打球を追わなくなる選手も出てきて、肝心のチームの失点が逆に増えてしまう可能性も十分にあります。

 

 また、自身の生活や、家族の生活を懸け、命懸けでプレーしている選手のためにも、公正かつ公平な評価は必要ですし、選手が正しく評価されれば、選手のモチベーションも上がり、プロ野球というコンテンツがさらに魅力的なものになります。

 

 選手が正しく評価される時が来るのを切に願います。

 

 

 当ブログの記事を最後までお読みいただき、誠にありがとうございました!!