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(プロ野球を「研究する」編No.47)フライボール・レボリューションと「フライナー」レボリューション

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 こんにちは!! と申します。当ブログにお越しいただき、誠にありがとうございます。

 今回は、

プロ野球を『研究する』編」

の第47弾として、

「フライボール・レボリューションと『フライナー』レボリューション

をお送り致します!!

 

 

「研究する」編で使用される、”奇跡の野球の分析手法”「セイバーメトリクス」とは!?>

 

 セイバーメトリクスとは、野球の戦略・戦術や競技者(選手)を、統計学すなわち「科学」を用いて分析・評価するという、今までにない斬新な手法の事です。野球の本場・アメリMLBでは、この手法を導入したオークランド・アスレチックスが、資金難による低迷から脱して常勝球団になった事等もあって、セイバーメトリクスの有用性が認められており、この手法を用いた球団運営が主流となっています。

  野球の常識を覆し、弱小球団を常勝球団に変貌させる等の数々の奇跡を起こした、いわば”奇跡の野球の分析手法”であり、これを知れば、あなたも「超」野球通です!!

セイバーメトリクス入門シリーズ カテゴリーの記事一覧 - プロ野球FUN

 

 

<はじめに>

 

 巷で話題となっている新しい野球理論フライボール・レボリューション

 先日の記事(以下リンク)で、そのフライボール・レボリューションの解説をしました。

(プロ野球を「研究する」編No.45)話題の「フライボール・レボリューション」の正体とは!? - プロ野球FUN

 今回は、その理論とは少し異なる「フライナー」レボリューションとも言うべき、また新しい野球理論を紹介します。

 

 

<フライボール・レボリューションをおさらい>

 

 こちらの記事で解説しました、フライボール・レボリューションを、簡単におさらいしたいと思います(先程のリンク先の記事を読まれた方は、同じ内容なので、読み飛ばしていただいて構いません)。

 

 フライボール・レボリューションとは、「打者はフライを打った方が、チームの得点が増える」という理論です。

 「フライボール・レボリューション」と密接に関わるのが、「OPS」(出塁率長打率)という指標です。

 OPSは、打者にとって重要な「出塁能力」「走者を進め、還す能力」を足し合わせた指標で、計算が簡単な上に、打者の貢献度をより適切に評価できるという事で、セイバーメトリクスの本場・アメリカでは重宝されています(詳しくは、以下のリンクをご覧ください)。

(プロ野球を「研究する」編No.1)セイバーメトリクス入門①~「打率」で打者を評価するなんて時代遅れ!? 打者評価で重要な指標はこれだ!!~ - プロ野球FUN

 また、OPSの有用性の高さも実証されています。

(プロ野球を「研究する」編No.2)セイバーメトリクス入門②~野球で得点力を上げたいならこれを重視せよ!! "奇跡の打撃指標"「OPS」の有用性を確かめる!!~ - プロ野球FUN

 

 要するに、「チームの得点数を増やすには、OPSを上げる事が有効」だという事です。

 そして、OPSを上げるのに有効なのが、「フライを打つ」事なのです。

 

 長打率を上げる、本塁打等の長打を打つには、やはりフライを打つのが効果的だからです。

 以下は他サイト様のページですが、データで見ても、フライが長打率向上に重要だという事は、一目瞭然です(フライ打球の長打率は、ゴロ打球の長打率より圧倒的に高い)。

【打撃特集1】上から叩くな!新しいスイング理論 | Baseball Geeks

 

 さらに、長打力が向上すれば、当然相手バッテリーは勝負に慎重になりますので、四球が増え、出塁率も向上するという訳です。

 

 

<「フライナー」レボリューションとは!?>

 

 では、いよいよ「フライナー」レボリューションについて切り込んでいきたいと思います。

 

 「フライナー」レボリューションは、ゴロでもなく、地面と平行に飛ぶライナーでもなく、はたまた高々と上がるフライでもない、「フライナー」を積極的に狙えという理論となります。

 「フライナー」というのは、いつも当ブログで登場する、大手セイバーメトリクス分析会社・DELTA社がよく使用する言葉で、「フライ」と「ライナー」の中間の打球を指します。

 「ライナー」は、地面とほぼ平行に飛んで行く打球で、「フライ」は放物線を描いて高々と上がる打球ですから、「フライナー」はやや上方向に角度が付いた打球という事になります。

 

 この「フライナー」レボリューションですが、この打法を実践しているのは、ソフトバンク・柳田選手だと言われています。

 2017年の柳田選手は、当時の同僚で、セイバーメトリクスの本場・メジャー帰りの川﨑宗則氏の進言もあり、「フライボール・レボリューション」を実践し、2年ぶりのOPS10割(1.016、両リーグ唯一の10割台)を達成しました。

 

 しかし、こちらの記事によると、2018年の柳田選手は打法を少し変え、「フライ」ではなく、先述した様な「フライナー」を打つ事で、成績向上を狙っていたようです。

 実際に、柳田選手のOPSは1.016から1.092まで上昇(76ポイント上昇)し、2015年以来のOPS11割台まであと一歩でした。

 

 なお、先程のリンク先の記事では、柳田選手の打法は「センターライナー革命」と呼ばれています。

 しかし、記事の内容を踏まえ、「ライナー」よりも「フライナー」と説明した方が、より適切で分かりやすいと判断させていただきました※ので、「『フライナー』レボリューション(革命)」と呼ばせていただいております。

 

※実際に、記事の最後に、「今回の分析で取り扱った打球種類のライナー ( LD )は、DELTAがフライナーとして計測した打球を含めている。フライナーとはライナーとフライの中間の打球で、1.02ではフライに含まれる打球である。そのため、1.02で確認できる打球割合とは若干異なる点に注意が必要である。」 とあります。

 

 

<「フライナー」と「フライ」を比較する>

 

 では、この「フライナー」には、どんなメリット・デメリットがあるでしょうか。

 

 「フライナー」と「フライ」を、「長打」BABIP(フェアグラウンドに飛んだ打球が、安打になる確率)」から比較してみましょう。

 

●「長打」から比較

 やや上方向に角度が付いた「フライナー」も、「ゴロ」や地面と平行に飛ぶ「ライナー」に比べれば、やはり本塁打等の長打になる確率が高くなります。

 殆ど発生しないランニング本塁打を除き、「ゴロ」や地面と平行に飛ぶ「ライナー」で本塁打を打つ事は不可能ですから、「フライナー」は長打を打つのに有利な打球と言えます。

 ただし、フェンスの高い球場本塁打を打つのであれば、やはり「フライ」が有利になり、「フライナー」で本塁打を打つのは難易度が高くなります。

 「長打」の面で言えば、やはり「フライ」が有利となるでしょう。

 

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●「BABIP」から比較

 放物線を描いて高々と上がる「フライ」は、柵を越えなかった場合、滞空時間が長いため、外野手が追い付き、外野フライになりやすいです。

 しかし、「フライナー」は滞空時間が短いため、柵を越えなくても、外野手が追い付けず、安打になる可能性が高くなります。

 「BABIP」の面で言えば、「フライナー」が有利となります。

 

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●まとめ

・フライナーは、基本的には「長打」を打つのに有利で、フライと比較し、「BABIP」も高くなりやすく、バランスが良いが、球場の条件によっては「長打」を打つのに不利になる。

・フライは、フライナーと比較し、球場の条件によっては「長打」を打つのに有利だが、「BABIP」が低くなりやすい。

 

 

<おわりに>

 

 「フライナー」レボリューションも、フライボール・レボリューションも、やはり一長一短があり、球場の条件や選手の特性に合った、成績を最大化できる打法を見つけるのがベストでしょう。

 打球方向の例を出せば、先程の柳田選手の特集記事で、「センター」ライナー革命という言葉が出ており、柳田選手はセンターから逆方向に強みを持っていますが、ヤクルト・山田選手の様に、引っ張り方向に強みを持っている選手もいますこちらのページより。wOBAは、OPS等をさらに進化させた指標)。

 引っ張り方向は引っ掛けてゴロになりやすいが打球が伸びやすい、逆方向はゴロになりにくいが打球が伸びにくい等、メリット・デメリットがあります。

 やはり、球場の条件や選手の特性に合った打法を見つけるのが、成績最大化において重要だという事です。 

 

 そして、常識を疑い、また新たに出てきた常識を疑い、さらに良い理論を突き詰めていくというのも重要です。

 どんな事にも言える事ですが、「常識を疑う事」は重要で、「常識」が間違っているという事も、多々あるのです。

 常識通りに行動すれば、必ず成功するとは限りません。その常識が間違っていれば、必ず失敗します。

 そして、野球は日々変化し、それを取り巻く人々も変化し、進化しているのです。

 

 PDCAサイクルの様に、常に物事のチェック・改善や修正を怠らないのは、野球界のさらなる発展のためにも求められるでしょう。

 毎年異次元の打撃成績を残しながら、またさらに上を追い求める柳田選手には、敬意を表します。 

 

 

当ブログの記事を最後までお読みいただき、誠にありがとうございました!!