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(プロ野球を「研究する」編No.49)フライボール・レボリューションへの対策を考える「内野守備編」

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 こんにちは!! と申します。当ブログにお越しいただき、誠にありがとうございます。

 今回は、

プロ野球を『研究する』編」

の第49弾として、

「フライボール・レボリューションへの対策を考える『内野守備編』

をお送り致します!!

 

 

「研究する」編で使用される、”奇跡の野球の分析手法”「セイバーメトリクス」とは!?>

 

 セイバーメトリクスとは、野球の戦略・戦術や競技者(選手)を、統計学すなわち「科学」を用いて分析・評価するという、今までにない斬新な手法の事です。野球の本場・アメリMLBでは、この手法を導入したオークランド・アスレチックスが、資金難による低迷から脱して常勝球団になった事等もあって、セイバーメトリクスの有用性が認められており、この手法を用いた球団運営が主流となっています。

  野球の常識を覆し、弱小球団を常勝球団に変貌させる等の数々の奇跡を起こした、いわば”奇跡の野球の分析手法”であり、これを知れば、あなたも「超」野球通です!!

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<はじめに>

 

 巷で話題となっている新しい野球理論フライボール・レボリューション

 先日の記事(以下リンク)で、そのフライボール・レボリューションの解説をしました。

(プロ野球を「研究する」編No.45)話題の「フライボール・レボリューション」の正体とは!? - プロ野球FUN

 実際に、セイバーメトリクスの本場・MLBでは、フライボール・レボリューションが業界を席巻するまでに至っています。

 

 では、このフライボール・レボリューションを上手く活用しているチームや選手に対し、対戦相手のチームは、どの様な対策を取れば良いでしょうか。

 このシリーズでは、その「フライボール・レボリューションへの対策」を考えてみたいと思います。

 今回は「内野守備編」です。

(プロ野球を「研究する」編No.48)フライボール・レボリューションへの対策を考える「外野守備編」 - プロ野球FUN(前回の「外野守備編」はこちらからどうぞ。)

 

 

<内野守備編:劇的な効果が得られる対策は無さそう>

 

 内野守備面での対策も、外野守備面での対策と同様に、後退守備を敷くという対策がまず考えられます。

 

 内野守備において後退守備を取る事については、内野安打が増えるというデメリットと、外野手と同じ様に、打球が後ろに抜けにくくなるので、追い付ける打球の絶対数が増加するというメリットがあります。

 

 フライボール・レボリューションにより、打球の飛距離が長くなると考えれば、やはり後退守備を取るのが有効な対策と考えられます。

 

 ただし、内野から内野後方に飛ぶフライというと、いわゆる「ポップフライ」が多く、そういったフライは滞空時間が長い分、概ね捕球する事ができるため、後退守備時に捕球できるフライの数は、後退守備でない時とあまり変わらないかも知れません。

 

 そして、フライボール・レボリューション対策で重要な「長打の多寡」に大きく関わる外野手の守備隊形の方が、重要であると考えられるため、内野手の守備隊形は、外野手の守備隊形に合わせて組むというのがベストでしょう(以下に興味深い記事があります)。

前進守備するどころかもっと深く守るほうが勝てる確率が上がるはず。 | ライオンズファンの目線でプロ野球を語るブログ

 

 

<フライボール・レボリューション誕生の一因の「大胆なシフト」の効果はどうなったか>

 

 ここからは半分は余談なのですが、フライボール・レボリューション誕生の一因となった、「大胆なシフト」の効果は、どう変化したでしょうか。

 

 こちらの記事で、フライボール・レボリューションは、打者をより適切に評価できる指標・OPSの上昇に繋がるというお話をしました。そして、フライボール・レボリューションは、やはりセイバーメトリクスの本場・アメリカで誕生した理論だというお話もしました。

 しかし、実はフライボール・レボリューション誕生のきっかけは、他の部分にもありました。

 それが、MLB特有の内野の「大胆なシフト」だったのです。

 

 「右方向に打球がよく飛ぶ」等といった、相手打者の特性に合わせて、守備隊形を変えるのが「シフト」であり、日本でも行われる作戦ですが、セイバーメトリクスの本場・MLBの内野のシフトは、内野の左半分が無人である等、かなり「大胆」です(「MLB シフト」で画像検索していただければ、よく分かります)。

 もちろん、手薄なエリアや、無人のエリアができるというデメリットもありますが、相手打者が打球をよく飛ばす方向は、打球がよく伸びる等、基本的には自分が強みを持っている方向でもあります。

 そのため、打者はわざとシフトが敷かれている方向(強みを持っている方向)に打球を飛ばす事も多いので、「大胆なシフト」は一定の効果を発揮し(打ち損じた時は、高い確率で内野ゴロになるため)、MLBで定着しました。

 なお、外野も一定程度シフトは敷かれますが、内野程大胆なシフトは敷かれません。

 外野の手薄なエリアや無人のエリアに打球が飛べば、最低でも二塁打に、最悪のケースではランニング本塁打になってしまうためでしょう。

 

 そして、この内野の「大胆なシフト」への対策として取られたのも「フライボール・レボリューション」だったのです。

 フライを打つ技術を身に付ければ、ゴロを減らす事ができ、内野のシフトの上に飛ぶ打球を増やせるからです。

 

 そんな内野の「大胆なシフト」ですが、フライボール・レボリューションの登場により、その効果はどう変化したでしょうか。

 

 以下のリンク先のページに、その答えが掲載されています。

 

2018年のデータ:MLB Player Positioning vs Batter | baseballsavant.com

2016年のデータ(比較用)MLB Player Positioning vs Batter | baseballsavant.com

 

 英語なので、少し分かりにくいと思いますが(汗)、500打席以上(MLB規定打席は162×3.1=502.2なので502打席)の打者のシフトの有無別の打撃成績が掲載されています。

 「Shifts」がシフトを敷かれた時の打撃成績で、「Non-Shifts」がシフト無しの時の打撃成績です。

 打撃成績として使われている「wOBA」は、OPS等をさらに改良した指標で、WARの算出にも使用される指標です。

 

 では、先程のリンク先のページのデータを基に、シフトの有無別のwOBAを比較し、シフトの効果を検証していきましょう。

 

 まずは、先程のリンク先のページのデータをまとめた、以下の表をご覧ください(対象は、MLBで500打席以上打席に立った全打者)

f:id:baseballsabermetrics:20181225201007j:plain

 100打席以上シフトが敷かれた全打者の内、シフトによりwOBAを下げた打者の割合が低下し、しかも50%を切った事を考えると、フライボール・レボリューションは「大胆なシフト」に対して効果を発揮したとも考えられます。

 また、「大胆なシフト」の効果も薄れてきたとも考えられます。

 

 そして、「大胆なシフト」が有効だと言われているのは、「鈍足で引っ張り専門の左打者(右方向の内野ゴロは、鈍足の打者なら、ほぼアウトになる)」だという事で、左打者のみに絞ってみましたが、こちらもwOBAを下げた割合が低下しています。

 

 一方で、「左打者の内、シフトが敷かれた打席数上位15名の打者」=「シフトが特によく敷かれる左打者」のみに絞ったところ、wOBAを下げた割合は変わらず(どちらも15人中11人)、しかも相変わらず高確率(73.3%)でwOBAを低下させています。

 

 先程のリンク先のページでは、なぜか個人毎の成績しか載っておらず、本来は「MLB平均」等でも比較すべきで、このデータだけでシフトの効果の変化の検証をするのは、不十分でしょう。

 

 しかし、「大胆なシフト」は、フライボール・レボリューション全盛の状況下であっても、特定の打者に関しては、まだまだ効果がある作戦だとは言えそうです。

 

 

 次回は、「投球編」です。

(プロ野球を「研究する」編No.50)フライボール・レボリューションへの対策を考える「投球編」 - プロ野球FUN(次回の記事です。)

 

 

当ブログの記事を最後までお読みいただき、誠にありがとうございました!!